どの方向から見ようが山は山で同じ一つの山であることに変わりないし、人に見られなくても山も海も存在していて、それはなんというか、じゅうぶんに自足している。だから人間が存在していなかったら山も海もその美しさが知られなかったというようなことは、本当は山や海にとってはどうでもいいことで、山も海もそれ自身としてのダイナミズムを持って存在している、というか絶えず少しずつ変化している。(114ページに記載)